2023年8月23日(木)~2023年8月25日(日)の2泊3日で岐阜県の奥飛騨方面へ行って来ました。ひとり旅です。
メインイベントの西穂丸山登山と平湯温泉と福地温泉での宿泊について、3回に分けてレポートします。
- 西穂丸山登山
- 平湯温泉 旅荘つゆくさ宿泊記
- 福地温泉 故郷(ふるさと)宿泊記
今回は①の西穂丸山登山編です。
去年の5月に22年ぶりに新穂高ロープウェイに乗り、次は西穂高口駅から上に登ってみたい!と思ったので、今年の夏山シーズンに実行することにしました。
上高地散策し、平湯温泉の平湯館に泊まった翌日は、新穂高ロープウェイに乗りに行きました。 上高地や平湯温泉にはよく行っていましたが、新穂高ロープウェイまで足を延ばすことはなく、22年ぶりくらいにやって来ました。 平湯温泉からは濃飛バス[…]
今回の登山は色々教訓や考えさせられるものとなりました・・・
新穂高ロープウェーに乗車
平湯温泉を朝7時に出発するバスに乗り、7:40頃には新穂高ロープウェイの新穂高温泉駅に到着しました。
そのため、コインロッカーにキャリーケースを預けたりしていても、始発の8時の第1ロープウェイに乗車することができました。
第2ロープウェイ乗り場のしらかば平駅に到着。
マイカーの場合、鍋平高原駐車場に停めれば、第2ロープウェイから乗車することができます。
そのため、しらかば平駅からはマイカー組が合流して、一気に人が増えて100人以上の列ができていました。
それで、今回とても役立ったのが優先乗車券(300円)。
上の画像の右側にある方の券で、Webから購入できます。
高山でドライブ・観光を楽しむなら「新穂高ロープウェイ」。日本唯一の2階建てロープウェイで雲上の世界を気軽に体感できます。…
第1ロープウェイは時間指定できず、荷物預けるのに手間取ったり、待ち人数が多くて第1ロープウェイの8:00の始発に乗れなかった場合を考えて、第2ロープウェイは始発の8:15ではなく、8:45の優先乗車券を購入していました。
実際は、8:00のロープウェイに乗って8:05分頃にはしらかば平駅に到着していたので、8:15の第2ロープウェイに乗れる状況でした。
参考までに、各ロープウェイの出発時間や所要時間を下記に記載しておきますね(前回のブログから抜粋)。
【上り】
第一ロープウェイ(新穂高温泉駅→鍋平高原駅)毎時0分・30分発 (所要時間約4分)
第二ロープウェイ(しらかば平駅→西穂高口駅)毎時15分・45分発 (所要時間約7分)
【下り】
第二ロープウェイ(西穂高口駅→しらかば平駅)毎時15分・45分発 (所要時間約7分)
第一ロープウェイ(しらかば平駅→西穂高口駅)毎時15分・45分発 (所要時間約4分)
これは8:45のロープウェイまで待たないといけないのか!?と思ってスタッフの方に尋ねたのですが、指定時間関係なく、優先乗車券を持っていれば優先レーンに入れてもらえるようで、あっさり優先レーンに並ぶことができたのでした。
通常レーンはぱっと見、第2ロープウェイの定員105名を超える人数が並んでいるように見えましたが、優先レーンは私は最後尾だったものの、それでも15番目くらい。
おかげで、笠ヶ岳側の良い場所を陣取ることができました~
ということで、景色のおすそ分けです。
今回はよく見えた!展望台からの景色
第2ロープウェイで西穂高口駅に到着したら、展望台に向かいました。
去年訪れた際は、曇り空で、正面の笠ヶ岳はよく見えたものの、穂高連峰は稜線が雲に隠れて槍ヶ岳も見えず、焼岳・乗鞍岳は雲の中、という状況でしたが、今回はよく見えました!
つんと尖った部分が槍ヶ岳↓
焼岳↓
ちなみに、丸山まで登山して13時頃に戻ってきたら、ガスガスで見事なまでに真っ白でした・・・
この日の天気予報は終日晴れで、実際は麓の方はずっと晴れていたのですが、山の天気が変わりやすいことを実感しました。
登山開始~西穂山荘まで
西穂高口駅の建物を出て、登山口へ向かいました。
去年の5月に訪れた後、西穂高口駅の一帯の工事があり、綺麗に整備されていました。
このエリアを抜けていくと登山口があります。
その新しく整備されたエリアの中で、一番見てみたかった、槍の回廊。
確かに槍ヶ岳がよく見えます。
こちらのエリアも、登山後の13時頃は真っ白で残念なことに・・・
こちらの登山口から登り始めます。
まずは、コースタイム1時間10分の西穂山荘を目指します。
山荘に着くまでは、樹林帯でひたすら山の中を歩いていきます。
最初の方は、登り下りの繰り返しで、最後の方はひたすら登り・・・
標高高いので息も上がりやすく、暑くてダラダラ汗がでてくるし、いつまでこれが続くのだろう・・・と思っていたところ、突然、山荘の一部が見えてきました。
なんだ、もうすぐじゃないの!と急に足取りが軽くなりました(笑)
アルプス登山では、大体、山小屋が一区切りの場所にあるので、山小屋が見えてくるとすごく嬉しいのですよね。
ただ、西穂山荘は、突然見えてその後すぐに着いちゃうという感じでした。
もっと先から見えると、あそこまで頑張ろうと励みになるのですが。
でも、写真でよく見る西穂山荘が目の前にあって感動。
玄関側にはたくさんの登山者が休憩していました。
私もしばらくオヤツ食べて休憩しました。
山荘の入口。
食堂。
帰りは11時半頃に山荘に戻ってきたため、有名な西穂ラーメンを食べました。ちぢれ麺で美味しかった。
焼岳ビューの窓際席をゲット・・・
西穂山荘からの景色。
ずっと山の中を歩いてきましたが、山荘からは稜線歩きで眺望が開けています。
西穂山荘~丸山まで
西穂山荘で休憩した後は、コースタイム20分の丸山まで向かいます。
丸山が今回の最終目的地です。
最初の10分くらいは、大きな石がゴロゴロした急登です。
途中、これはどこにどうやって足を置いて登るのか!?と20秒くらい悩んでしまった大きな石もありました。
大分上に登ってきて、振り返ると山荘と焼岳、その奥の乗鞍岳がよく見えます。
しばらく行くと、見えてきました、穂高のギザギザ稜線が!
ハイマツ地帯を歩きます。
ハイマツと言えば、大好きな雷鳥さん・・・
雷鳥さん探しつつ歩きましたが、残念ながら今回は出会えませんでした。
丸山(下の画像で数人の人がいる所)の少し手前にある、ちょっと広い場所に着きました。
丸山の標識のある場所は狭いので、こちらで休憩したり、写真撮ったりする人が多数。
見下ろすと上高地も見えます。
この場所からの景色
そして丸山へ到着。
いつもわざわざ人にお願いしてまで自分の写真撮らないですが、「撮りましょうか?代わりに僕も撮ってもらえるとありがたいです。」というソロのおじさんがいたので、お願いしました。
独標まで行くか迷った末に下山
独標まで行こうか悩む・・・
初心者は西穂独標までと言われていますが、YouTubeにアップされている動画を見ると丸山まででも十分しんどそうだし、X(旧:Twitter)を見ても「西穂独標は初心者向けとか絶対嘘だ!大変だった!」という声もちらほだったので、元々、西穂独標まで行かず、丸山で引き返すつもりでした。
でも、丸山に到着したほとんどの人たちが当たり前のように独標に向けて進んでいくので、独標へ向かう道を眺めながら20分くらいずっと迷っていました。
手前の緑の山の次に見える台形のピークが西穂独標です。
その奥に見える三角のピークは、ミラミッドピーク、西穂高岳など。
上級者は西穂高岳まで行って引き返してくるか、そのまま真っすぐ進み、日本有数の難所を越えて奥穂高まで縦走するか。
西穂高岳より奥にあるジャンダルムでは、この日早朝にも74歳男性の滑落死亡事故があり、先週も40歳医師の男性が落石にあい、命を落とされています。
それを思うと、初心者向けと言われている西穂独標では、滑落事故というのはほとんど聞いたことがありません。
だけど、下記のことを考えてやっぱり丸山で引き返そうと思いました。
- 10年以上前に一緒に登山を始めて、今は特に登山はしていない関東在住の友人に「西穂高の方に行くことにしたけれど、YouTube動画など見た結果、西穂独標には行かず丸山までにしておこうと思う」とLINEで報告したところ、「それが正解かも」ということで、登山友達のエピソードを教えてもらった。
その人も丸山までのつもりのところ、一旦丸山まで行ってみたら、その先も楽勝で行けそうだと思って進んだら、石がゴロゴロした道で歩きづらく転んで怪我をしてしまい、他の人に助けてもらいながら下山した、ということだった。
確かに、YouTubeの動画でも、川原のように石がゴロゴロした、いわゆるガレ場で、かなり歩きづらく、しんどいと言っていた。 - ヘルメットを持ってきていなかった(元々持っていない)。独標から奥は岩場の連続でヘルメット必須で、独標まではヘルメットしていない人もそれなりにいるという話だけど、独標直下は他と同様に岩場になっている。
- 登山するといつも膝が痛くなるので、まだ痛くは無かったものの、そろそろ限界かも・・・
- 独標まで行って引き返すと、休憩時間など含めると+2時間かかる。その日、初めて福地温泉に宿泊予定で、古民家を移築したかなり趣のある宿で楽しみにしていたから、早めに宿に着いて温泉を楽しみたいかも・・・
- 普段からトレーニングをしていない。登山を始めた頃は、月に1~2回は近場の山を登るようにしていたけれど、最近は全然行っていない。チョコザップの会員ではあるけれども、主にセルフエステの利用で、たまにエアロバイクを30分こぐくらい・・・
丸山手前の広めの場所で思う存分景色を堪能した後、下山を始めました。
名残惜しいけど、バイバイ、穂高の峰々たち。
引き返して良かった
でも、この決断はかなり正しかったです。大きな理由は2つ。
ソールが剥がれた!
丸山からまた西穂山荘に向けて戻り始めたのですが、登りに苦戦した、西穂山荘出てすぐにある岩ゴロゴロの道は、下りはもっと大変でした。
ストックは邪魔になるだけだと思ったので、一旦ストックはしまって、両手を使いながら岩を下りました。
途中、登山靴が岩をする感覚があったけれども、靴どうこうとか言ってられんわ!と、とりあえずどこに足をかけて、どこに着地するべきかとか考えることに集中して下りました。
山荘に着いたときに、どうも足元に違和感がある・・・と思って見てみたら、なんじゃこりゃ!
ソールが剥がれかかっている・・・
右足は完全に途中まで剥がれて、一部破損している状態。
左足は一見原型をとどめているようで、歩くたびに、パカパカとソールが離れて開いてしまう状態。
とりあえず、応急処置できるものはないかと、お菓子の袋の口を止めるために持っていた輪ゴムをはめてみた。
歩いたらズレちゃって、全然ダメでした(当然)
なんとかこの状態で、西穂山荘から登山口までの1時間の山道を下ったのですが、足の上げ方が不十分だとソールの剥がれた部分が引っかかって思うように足が運べなかったり、剥がれたソール部分をもう片方の足で踏んずけてコケそうになったり、結構危なかったです。
こんな靴の状態で、独票に向かうガレ場や岩場を歩いたら、完全にそこでソールが剥がれてしまい、独標からの帰り道はかなり大変なことになっていたでしょう。
登山を始めたときにこの登山靴を買ったので、もう10年以上経っていて、買い替えもソールの張り替えもしていませんでした。
登山に行く頻度は少なく、見た目何も劣化しているように見えなかったので、まだ大丈夫だと思い込んでいたのですが、使用頻度ではなく経年劣化するもののようです。
西穂独標直下で重大事故発生!
西穂山荘からの下山時、既に樹林帯に入っていたため、姿は見えなかったものの、ヘリの轟音がずっと鳴り響いていました。
最初は荷揚げのヘリかと思っていたのですが、あまりにも長時間鳴りっぱなしだったので、多分事故かもと思いました。
夜、ニュースを見てみたら、同じ時間帯に、西穂独標手前の岩場で落石があり、上高地から登ってきたフランス人男性がその落石の直撃を受けて足を骨折する事故があった模様。
発生時刻が11時半頃となっており、私が丸山に到着したのは10時半だったため、コースタイム的にもし西穂独標に行っていたら、落石を受けたのは私だった可能性もあったかもと怖くなりました。
登山アプリのYAMAPを見たところ、私と同じ8:15の第2ロープウェイに乗った方々はその場に居合わせて、事故を目撃したり、救助活動をした方もいるようでした。
ニュースでは詳しいことは書かれていませんでしたが、YAMAPの情報をまとめると下記の通り。
- 先行して西穂独標直下の岩場を登っていた男性パーティーがルートを誤り、浮石をつかんでそのまま落石させてしまった。
- 落石は直径30cmほどで、ゴロンゴロンとはねるように落ちていき、何人かの登山者がそれを避けたが、事故にあった男性はよけきれず足に当たってしまった。もし頭に当たっていたら、確実に命はなかった。
- 何人かの若者が自分の登山計画を中止して、救助や通訳にあたった。事故にあたった男性の連れもフランス人で、救助ヘリには救助対象者以外は乗れないため、2名の登山者が入院先の病院まで連れていってあげた。
まとめ
丸山まででしたが、北アルプスの大パノラマを十分満喫できたので満足でした。
しかし、登山靴のソールが剥がれたり、同じ時間帯に独標で落石による事故が起きたり、登山については色々考えさせられました。
登山靴については、10年以上、買い替えもメンテナンスもしていなかったことを反省。
新しい登山靴を購入したら、しっかりメンテナンスをしていこうと思います。
登山途中にソールが剥がれたら、どのように対応するのが正解なんだろう?と調べて、なるほどと思ったのが結束バンドを使う方法。
登山中に登山靴のソールが剥がれてしまう可能性は0ではありません。ほとんどの登山者の方は経験したことのない事故だと思います…
結束バンドなら軽くて荷物にもならないし、持ち歩くようにしてみようと思いました。
事故については、毎日多くの人が登る西穂独標で、事故にあう確率はかなり低いと思われます。だけど、行くかどうか迷った矢先にその場所で事故が起こってしまったので、登山では慎重すぎるほど慎重になっても無駄ではないと思いました。
ロープウェイの駅から独標までなら、今回事故のあった独標直下の岩場以外にヘルメットが必要な個所はないと思いますが、ほんの少しでもヘルメットがあった方が良い場所があるなら、ヘルメットは持っていくべきと感じました。