長町武家屋敷跡界隈を散策
今回、観光らしきことをしたのは、最終日3日目(日曜日)の午前中のみでした。
金沢市街地から電車で30分ほどの白山比咩神社に行ってみようと思っていたものの、Twitterで、積雪が多くて徒歩では何回もこけそうになったという知らない誰かのツイートを見て、もっと季節の良いときに行こうと今回は諦めました。雪深い参道を画像付きでツイートしてくれた方、どうもありがとう・・・
白山比咩神社は最寄り駅から徒歩30分かかるのですが、天候が良ければレンタルサイクルで周ることもできるのです。
それで、金沢市街地で観光しようと、古い町並みはこれまでの金沢訪問で「ひがし茶屋街」「主計町(かずえまち)」と行ったので、今回は武家屋敷界隈に行ってみました。
金沢は全国でも稀な第二次世界大戦で空襲を受けていない県庁所在地の都市につき、歴史ある街並みが数多く残っている貴重な場所です。
お茶屋街より、今回の武家屋敷跡界隈が私にはとても刺さった!興味深かったです。
足軽資料館
長町武家屋敷跡界隈は、金沢一の繁華街・香林坊から徒歩で行けますが、金沢駅から南へ徒歩5分以内の宿泊ホテル「ホテル トリフィート金沢」からも徒歩20分弱だったため、歩いて行ってみました。
観光客があまり歩かないような道を歩くのもなかなか楽しいものです。
前日の積雪と当日の雨で、道路はみぞれ状の雪が残る状況となっていましたが・・・
所々、雪を溶かすための水がピューっと出ています。
中には「これ、どうやってよけるの??」と思うような方向に水が飛んでいるものもあって、なかなか苦戦しましたが、地元の人は慣れたものなんでしょう。
武家屋敷跡界隈に近づくと、それらしい雰囲気になってきます。
下の地図でいくと、左手側より歩いて来ましたので、最初にある足軽資料館に入りました。
足軽にフォーカスした資料館は全国でも珍しく、貴重らしいです。
足軽は、農民や町人が軽装で戦に参加させられて気の毒なイメージが・・・ だけど、この資料館では足軽の実態が知れて、そうではないと分かりました。
この界隈は武家が住む場所で、実際に足軽が住まう場所は金沢の違う場所だったのですが、そこから2軒の足軽屋敷を移築して、資料館になっています。入館無料です。
全国的に足軽の住まいは、いくつかの住戸が連なった長屋のパターンが多かったそうですが、加賀藩の足軽は庭付きの一戸建ての住まいが与えられていたそうです。
これは、加賀藩主 前田家の家臣を思いやる気持ちや財力の現れとか。
足軽屋敷の典型的な間取りは、下記のような感じで、現在でいうと1SLDK?
玄関から見たところ。
立派な流し(キッチン)もあり、なかなか広く、質素ながらも良い暮らしをしていたんだなと感じました。
住まいは平屋建てですが、屋根裏部屋を納屋代わりに使っていたそうです。
そもそも、足軽とは?
無理やり戦に駆り出された訳ではなく、豊臣秀吉のような大出世を夢見て、多くの農民や町人が志願した人気のポジションだったのですね。
定員制で後継者がいない場合は足軽株が売り出されて、お金を出せば誰でも足軽になれたとか、江戸では庭の手入れなど楽な職務が多くて喜んで参勤交代に行く者も少なくなかったとか、随所に興味深いエピソードが掲示されていました。
武家屋敷はどこで見れる?
次に「旧加賀藩士高田家跡」に行きました。
武士の最下級の足軽の住まいを見学して、武家屋敷はどれだけ豪華になるのだろう?と比較を楽しみにしていたのですが、立派な門と庭園、奉公人の住まいが残っているだけでした・・・
それで、そのお隣にある「長町武家屋敷休憩館」でスタッフのおじいさんに「武家屋敷はどこで見れますか?」と尋ねてみたところ、
・本当の武家屋敷という意味では「大屋家」になるが、現在も人が住んでいるため公開されていない。塀の外から外観を見ることはできる
・武家屋敷として公開しているのは野村家になるが、こちらは武家屋敷ではなく、豪商の家を移築したもの。謁見の間があるが、こんな武家屋敷街まで藩主がわざわざ来る訳がない。でも、当時の貴重なものが多数展示されているので有料だが見る価値はある。
ということでした。この情報が後から役立ちました。
野村家
野村家は武家屋敷界隈の必見スポットのようでしたので、元々、見に行く予定でした。
入館料550円です。
やはり、足軽屋敷と比べると広い。
部屋から切れ縁越しに庭園が見えるというのがゴージャスでまさに成功者の証!
「成功者?んん?代々武士の家系で世襲制なのだから、成功も何もそんな発想ないよな?」と思いつつ、そういえば、豪商の家を移築したのだったと思い出し、なんだか納得。
タワマンからの夜景、家の中に噴水など、成り上がり・成金ほど、成功した証を住まいに反映させたがるというのは、昔も今も変わらないのだなと思いました。
こちらの庭園は、2009年の「ミシュラン観光地格付け」で2つ星に評価されたり、アメリカの庭園専門誌である「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」では、日本庭園ランキングの第3位に選ばれるなど、特に海外から評価の高い庭園です。
高そうな鯉が優雅に泳いでいました。
離れのような形で茶室もあります。
こちらでお茶を飲むことができて、その間は貸し切りとなるようです。
1人で占領してしまうのはしのびないので今回は注文していませんが、いつか、こちらの立派な日本庭園を長めながらゆっくりお茶を飲んでみたいものだと思いました。
新感覚の和菓子 茶菓工房たろう
ちなみに、この野村家のすぐお隣には茶菓工房たろうという和菓子屋さんがあり、今回の金沢訪問で行きたかったお店ですので、野村家に行く前に立ちよりました。
今回の金沢訪問に行く前に知ったお店なのですが、パッケージもオシャレでどのお菓子も美味しそうなので、色々購入しました。
どれもとても美味しかったです。
カカオチョコ、ホワイトチョコ、ピーナッツバターなど珍しい羊羹が気になっていたのですが、私は特にホワイトチョコが気に入りました。
会社の先輩にカカオチョコの羊羹と米粉チーズケーキをお土産に渡したのですが、とても気に入ったとのことで、実家へのお年賀などを「たろう」のオンラインショップで購入したということで送ってもらった画像がこちら。
お年賀のお菓子の詰め合わせのパッケージが可愛すぎる💕
虎の親子が三毛猫ちゃんと初日の出を眺めてる・・・
ほんとどのパッケージもセンス良いし、どれを食べても美味しい。
HPを見ると、お店ができたいきさつ、お菓子作りへの思い、従業員の働く環境への配慮など、興味深い話が多く、素敵な会社だなぁと思います。
土塀のまちなみと大屋家
野村家を出た後は、本物の現存する武家屋敷である大屋家を見学するために、「土塀のまちなみ」の方へ向かいました。
この土塀のある一帯は、武家屋敷跡界隈を代表する景観です。
雪対策の薦掛けがされていて、冬ならではの眺めです。
大屋家はこの一角にあり、現在も住まいとして使用されているため、塀の外から眺める形になります。
野村家は豪商ならではのゴージャス感がありましたが、こちらは武家ならではの重厚な雰囲気を醸し出しています。
長町武家屋敷跡界隈では、質素な暮らしぶりのうかがえる足軽屋敷、成功者の家という感じの豪商の屋敷、格式高さの伝わってくる武家屋敷と、様々な階級の昔の住まいが見れて、とても面白かったです。
最初に足軽屋敷から見るのがおすすめですかね・・・。
宿泊ホテル1日目 スマイルホテル金沢西口駅前
今回、大雪予報につき、急遽前日、仕事が終わってから出発して1泊増えたのですが、
・予定外だし夜遅く着いて寝るだけなのでできるだけ安いホテルが良い
・でも新しくて綺麗な方が良い
・積雪&吹雪なので金沢駅が近い方が良い
と注文が多い感じだったのですが、これらを全て叶えてくれるホテルを行きの電車の中で予約することができました♪
それが、スマイルホテル金沢西口駅前です。
・シングル1泊3500円ほど
・2021年11月28日、約3週間前にオープンしたばかりでピッカピカ
・金沢駅西口から徒歩4分
とすべての条件を満たしていました。
お得価格なのにお部屋もベッドも広めでした。
特に良かった点は、入口から入ってすぐのクローゼットスペースが広かったこと。
このスペース内にスーツケースを広げて置いておくことができました。
ビジネスホテルだと、服をかける場所は壁に沿ってハンガーが並んでいるだけだったりで、スーツケースをベッドの横など部屋の中に置かざるをえなくて、スーツケースをまたいだり避けたりして歩かないといけないことが多いのですよね。
お部屋も十分な広さですが、広げたスーツケースをクローゼットスペースに置けることにより、さらに広々と使うことができました。
宿泊ホテル2日目 ホテル・トリフィート金沢
1泊目のスマイルホテルは「表玄関じゃない方」でしたが、2泊目は表玄関 兼六園側の出口から徒歩3分にあるホテル・トリフィート金沢に宿泊しました。
エントランス。この中の見えない重厚な扉(自動ドア)が開くと・・・
ベッドサイドの素敵なランプは石川の伝統工芸を取り入れたものでした。
そして、朝食も会場入り口で受付してから部屋で待機して、その30分以上後にやっと案内の連絡がきたのでした。
でも、朝食は評判通り、満足度の高いものでした。
加賀野菜のサラダバーや治部煮、のどぐろの干物など、金沢っぽいものも多数ありました。